ある講習での出来事

対人で歩で間合いを詰めて一触で腰を取ることを要求に稽古した時のこと。

稽古を何年も重ねて一通りのことを身に付けた人と軆は強いがまだ2年ほどの人が組んだ。

両人ともに経験年数は違えど、それぞれに稽古熱心ではあった。

しかし身に付けた人は、ついぞ軆の強い人の腰を取れなかった。

そしてこのやり取りの中で得心を得た軆の強い人は、最後には身に付けた人から位を取ってしまった。

沢山の経験をして、感覚もあった、稽古法も知っている人が通用せず、経験も知っている稽古法も僅かな人が通した・・・そんなことがあった。